街中でカァカァなく鳥といえば、カラスですよね。
そのカラスですが、漢字でどのように書くのか知っていますか?
いきなり言われてもわからないですよね。ここでスラスラ~と書ける人は、漢字に詳しい人か、ものすごく雑学に長けている人ですね。
実はこのカラスという漢字には、ものすご~く面白い話があるんですよ!
そこでここでは、カラスという漢字にまつわる話まとめてみました。
この記事は、
・カラスの漢字が気になる人
・漢字の雑学が知りたい人
・カラスの漢字にまつわる面白い話が知りたい人
に宛てています。
これを読めば、カラスの漢字について、より詳しく知ることができると思います。
面白い雑学をご紹介しますので、読んでみてくださいね。
カラスを表す漢字は2つあった!
カラスを表す漢字は何かというと、実は、コレだったんです。
からす【烏・鴉】
意味: カラス科の鳥。人家近くの森などにすみ、羽根が黒く、くちばしが大きい。鳴き声が陰気なので、不吉な鳥とされる。
参考文献:福武国語辞典
カラスを表す漢字は「烏」と「鴉」だったんですね。
「カラスは鳥(とり)っていう字だったの?」
と思ったあなた、カラスの漢字をよ~く見てください。
カラスは、「烏」ですよ。鳥(とり)とはどこかが違いませんか?
烏と鳥の違いはココだ!
実はカラスの漢字「烏」は、鳥(とり)という漢字の白という部分が一画少ないのです。
字のサイズを大きくしてみますとこうなります。
烏(からす) 鳥(とり)
確かに鳥(とり)の上部の一画が、烏(からす)にはありませんね。
この烏(からす)という漢字は、鳥(とり)という漢字とはまったく違う漢字なので注意してください。
特に手書きの場合、烏(からす)という漢字を見ると、「鳥(とり)という漢字を間違えたんだな」と勘違いしてしまうことがあります。
ですので、鳥(とり)と烏(からす)は区別しましょうね。
烏(からす)の漢字の由来は?
カラスが、鳥(とり)の一画少ない形になった由来について調べてみると、拝島大師の【漢字講座】鳥(とり)の説明の中で、次のような記述がありました。
中国の古い漢字の字書でも、烏(からす)は遠くから見るとその眼が区別できないから鳥(とり)の一画を除いて烏(からす)という漢字になった、といわれています。
参考サイト:拝島大師の【漢字講座】鳥(とり)
つまり、色が真っ黒なカラスは眼の位置がわからないから、鳥(とり)という漢字の眼に当たる一画をなくしてしまった、というわけなんですね。
鳥(とり)と烏(からす)の関係がわかるとおもしろいですよね。
カラスを表すもう一つの漢字「鴉」の意味とは?
先述しましたが辞典によると、カラスを表す漢字は「烏」のほかにもう一つ、「鴉」という漢字がありました。
この「鴉」にはどのような意味があるのでしょうか。
実はこの「鴉」という漢字には、「音」が関係しています。
「鴉」という漢字をよく見ると、「牙」と「鳥」からできていますね。
なぜこの「牙」(きば・ガ)という漢字が使われているのかというと、カラスはガァガァと鳴く鳥なので、そのガァガァという音から、「牙」という漢字が使われたのです。
ちなみに、この「牙」は「ア」とも読みます。
なので「鴉」の「牙」にはカラスの鳴き声の音が関係していたんですね。
「烏」「鴉」という漢字は、いつ習う漢字なのか?
この記事の冒頭で、烏(からす)の漢字を知っているかお聞きしました。
でも知らない人が多かったと思います。
というのは、実はカラスという漢字「烏」「鴉」は常用漢字ではありませんでした。
なのでカラスの漢字は知らなくて当然なのです。
ちなみに「鳥(とり)」という漢字は、小学2年で習う漢字です。
1画違うだけで難易度が全然違いますね。
また、「烏(からす)」という漢字は、漢字検定では準1級にあたり、「鴉(からす)」という漢字は、なんと1級にあたる漢字だったんです。
どちらもとても難しい漢字のひとつだったんですね。
おもしろ雑学!「烏」と「鳥」のような紛らわしい漢字を集めました!
烏(からす)と鳥(とり)は1画違いの漢字で、とても紛らわしいですよね。
このように、形が似ていて紛らわしい漢字が他にもないか調べてみました。
柿(かき)と杮(こけら)
この2つは同じ漢字じゃないの?って思ってしまいますよね。
でもこの2つは、まったく違う漢字なんです。
柿(かき)も杮(こけら)もどちらも「木へん」ではあるのですが、つくりが違います。
柿(かき)のつくりは「市場」の「市」ですが、杮(こけら)のつくりは「市」の縦線が1本につながっているんです。
ですから柿(かき)の画数は9画、杮(こけら)の画数は8画になります。
壁(かべ)と璧(たま)
壁(かべ)と璧(たま)の漢字の下の部分をよく見ると、「土」と「玉」となっていますよね。
この2つも間違えやすい漢字ですが、「完璧」と書くときは後者の璧(たま)の方を使いますね。
西(にし)と酉(とり)
方角を表す西(にし)と、酉(とり)年生まれのように用いるこの2つは、どちらも見たことがある漢字だと思います。
西(にし)という漢字の四角の中に横線が1本入るのが酉(とり)なんですね。
酒(さけ)と洒(すすぐ)
よく、お洒落(しゃれ)をするといいますが、このとき使っている漢字は酒(さけ)ではありませんよ。
洒(すすぐ)という漢字は、酒(さけ)という漢字の横線1本がありませんね。
己(き)と已(い)と巳(し)
己(き)と巳(し)が似ているのはわかりますけど、もう一つ「已」(い)という漢字があったんです。
已(い)という漢字の形は、縦の線が「コ」の部分の半分までで「口」にはなっていません。
拡大してみると、已となります。
ちょうど己(き)と巳(し)の中間ですね。
ちなみにこの已(い)という漢字は、国語の古文で習う「已然形(いぜんけい)」という言葉に使われています。
なるほど豆知識!「鴉」のように鳴き声が漢字となった動物とは?
カラスの鳴き声の「ガァガァ」という音が「牙」となって、「鴉」となりましたが、このような「音」によって成り立った漢字はほかにもあるんです。
鳩(はと)に使われている「九」
鳩は「クックック」と鳴くので、「九(ク)」という字が使われています。
鳴き声が漢字に使われている鳥はほかにもいくつかあります。
・鵝(がちょう)に使われている「我(ガ)」
・鴨(かも)に使われている「甲(コウ)」
・鶏(にわとり)に使われている「奚(ケイ)」
・鷗(かもめ)に使われている「區(オウ)」
・鶴(つる)に使われている「隺(カク)」
これらの鳥に使われている漢字は、すべて鳴き声に由来しています。
参考文献:成り立ちで知る漢字のおもしろ世界 動物・植物編 (伊東信夫 著)
猫(ねこ)に使われている「苗」
猫(ねこ)という漢字に「苗(なえ、ビョウ、ミョウ)」という字が使われている由来には、いくつかの説があります。
その説のひとつとして、猫の鳴き声「ミャオ」という音が漢字になったといわれています。
「鴉」と成り立ちが同じですね。
蚊(か)に使われている「文」
夏場になると私たちのまわりを蚊(か)がしつこく飛び回りますよね。
この蚊の漢字には「文」が使われています。
実はこの「文」も蚊の出す音と関係があったんです。
といっても蚊は鳴きませんよね。
実は蚊に使われている「文」というのは、鳴き声ではなく蚊の飛び回る「ブーン」という音によるものだったのです。
まとめ
ここではカラスの漢字の由来などについてまとまてみました。
なかなか面白い雑学もあったのではないかなと思います。
カラスという漢字に限らず漢字には面白い雑学がたくさんあって、日本語は本当に奥の深い言葉ですよね!