最近ニュースでよく黄砂(こうさ)という言葉を耳にします。
「中国から黄砂が飛んでくるので洗濯物に気をつけてください」
といったりするんですね。
この黄砂ってどういう意味なのでしょうか。
人にも害があるものなのでしょうか。
そこで、黄砂について調べてみました。
この記事では、
・黄砂の意味が知りたい人
・黄砂の影響が気になる人
・黄砂の害が心配な人
に宛てています。
これを読めば、黄砂の意味について理解できると思います。
また、害や影響についてもわかりやすく説明していきますので、今後の対策に役立つと思いますよ!
黄砂とは、黄色い砂ぼこりのこと!
黄砂(こうさ)とは文字通り、黄色い砂のことや、その黄色い砂が舞い上がった砂ぼこりのことをいっています。
簡単にいえば、砂なんですね。
ではその黄砂はどこからやってくるのでしょうか。
その黄砂ですが、もともと日本にあるものではないんです。
実は黄砂というのは、モンゴルや中国からやってきたものなのです。
中国大陸内部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などで発生した砂ぼこりが、偏西風によって海を渡って、日本にやってきたものだったのです。
タクラマカン砂漠やゴビ砂漠など、砂漠の砂って黄色いじゃないですか。
日本にある公園の砂場の砂の色とは違いますよね。砂場の色って大抵、薄いグレー(灰色)が多いですよね。
なので、日本の砂は黄砂ではないんです。
ちなみに、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠と日本の距離は3,000~4,000㎞あります。
それだけの距離があっても大きな影響があるものなんですね。
さらに、タクラマカン砂漠の大きさは約33万㎞²です。
日本全体の面積が、約38万㎞²ですから、タクラマカン砂漠は日本とほぼ同じくらいの大きさの砂漠なんです!
とてつもない広さですね!
黄砂がやってくる時期は春が多い
日本に黄砂がやってくる時期というのは春が多く、2~5月に集中しています。
これは春には黄砂の発生源が乾燥して、上空の風が日本に向かって強く吹くためです。
夏になると、雨が降ることが多くなり土壌が固められることによって、黄砂が飛ぶ量が少なくなります。
そして秋は、最も黄砂が少なくなる時期で、日本の広範囲で観測されることはあまりなくなります。
冬は、黄砂の発生源となる乾燥地域が積雪によって雪に覆われてしまうため、黄砂が発生しにくいといわれています。
この黄砂というのは、季節によって差はありますが、基本的に一年を通して飛んでくるものだといえます。
いちばん黄砂が飛ぶ月は4月です。
なので特にこの時期には黄砂に注意が必要ですね。
黄砂はいつの時代から飛んでくるようになったのか
黄砂がいつの時代から飛んでくるようになったのか、その歴史についてまとめてみました。
堆積物などの解析結果によると、黄砂は約7,000万年前から発生したと考えられています。
7,000万年前ですよ。7,000万年前とは、白亜紀のころですよ。
白亜紀というのは、たくさんの恐竜がいた時期です。
そんな時代からすでに黄砂は飛んできていたんですね。
黄砂の飛来は昔からあったもので、昨日今日のことではなかったのです。
最近になって黄砂が話題となっているのは、観測技術が発達して広範囲の風の流れなどがわかるようになったからです。
江戸時代の書物のなかでは、黄砂が混じった黄色い雪や赤い雪を、「黄雪」や「紅雪(こうせつ・あかゆき)」と呼んでいます。
現在のような観測技術がなかった江戸時代の人たちは、この黄色い雪を見てどう思ったのでしょうか。気になるところですね。
黄砂の与える影響は甚大だった!
実際に黄砂が飛んでくるといっても、日本は広いですから、たくさん飛んでくるところもあれば、あまり飛んでこないところもあるはずですよね。
影響の大きい地域は中国大陸に一番近い九州の福岡県だといわれています。
やはり地理的に中国大陸から離れている東日本より、西日本のほうが影響が大きいといえます。
とりわけ九州は影響が大きいんですね。
黄砂の与える影響は、うっすら霞が出て普段より少し視界が悪くなる程度です。
また、日本に飛んでくる黄砂はとても粒子が小さくて、砂の埃(ほこり)といった感じですが、この砂の埃は、砂漠から日本に来る間に、中国や韓国の上空を飛んでくることになります。
なので中国や韓国の上空のガスや塵(ちり)を一緒に運んでくることになるんです。
いま中国では大気汚染が問題になっていますが、黄砂はそのガスも一緒に運んできてしまうのです。
また、黄砂は雨が降ると、土中にしみこんでいくことになるんですよね。
有害な物質を含んだまま土中に入ってしまうと、土壌汚染の問題にもなってしまうのです。
すると農作物へ被害が出たり、山や森林の環境問題にもなるんですね。
農業に土が欠かせないものなので、黄砂の影響は生産者の死活問題となっているんですね。
黄砂の害はマスクと眼鏡で予防する
黄砂には、細菌やカビなどの微生物が付着しています。
これらがアレルギー病気や呼吸器の病気を引き起こしているのです。
黄砂が体に与える害としては、咳(せき)、くしゃみ、鼻水のほかに、目の充血や目のかゆみなどがあります。
このほかにも、皮膚のかゆみや湿疹、発熱などを引き起こすことがあります。
黄砂は非常に小さいので、人体のなかに取り込まれやすいのです。
黄砂を防ぐときにまず欠かせないのが、マスクと眼鏡ですね。
普通のマスクでは黄砂を防ぐことができなかったのですが、最近のマスクでは、ちゃんと黄砂を防げるものも出てきています。
普通のマスクより少し値段が高くなりますが、黄砂の影響が気になる人は考えてみてください。
そしてもうひとつの予防法は、家の外に出ないことです。
これは根本的な予防法ですね。家から出なければ、黄砂の影響は限りなく0に近づきますからね。
といってもまったく外出しないわけにもいかないのですよね。
黄砂を防ぐ具体的な方法とは
その方法は、
・屋内に入ってくる黄砂を掃除機で取り除く
・窓はできるだけ開けない
・外から帰ったら、衣服についた黄砂を落としてから中に入る
・洗濯物を外に干さない
・空気清浄機を使用する
・うがい、手洗い、洗顔などをする
などがあります。
私たちの力で外の黄砂の量を減らすことはできませんが、家の中に入ってくる黄砂の量は努力によって減らすことができます。
黄砂とpm2.5の違いとは
黄砂と似た物質に「pm2.5(ピーエム2.5)」というものがあります。
pm2.5はとても粒子が細かいため、人の肺の中に入りやすく、呼吸器系疾患や循環器系疾患などを引き起こす怖れがあります。
pm2.5と黄砂について、この2つがどう違うのかまとめてみました。
pm2.5と黄砂の大きさの違い
黄砂の粒子の大きさは、0.5~5μmです。
ちなみに、この μmとは「マイクロメートル」と読んで、「0.001mm」を表しています。
そして pm2.5の大きさは文字通り、2.5μmです。
またpm2.5は、「微小粒子状物質」といわれています。
pm2.5と黄砂の共通点
pm2.5とは、燃焼によって生じた煤(すす)や、工場で発生する粉塵、排気ガスなどをのことをいいます。
これらpm2.5も黄砂と同じく、環境に影響があったり人体に害を及ぼすことがあります。
人間が呼吸するときは、鼻、のど、気管、肺などを使いますが、pm2.5や黄砂などの微粒子物質は、その大きさが小さいほど肺の奥の方に入っていってしまいます。
pm2.5も黄砂もどちらも憂慮すべき物質だということですね。
まとめ
今回は、黄砂についてまとめてみました。
黄砂の影響や害についてが気になりますが、上記のような予防を普段から心がけていれば、心配ないと思っています。
必要以上に心配して気を病んでしまう方が、よっぽど健康に悪いと思いますよ。
まとめは以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
関連記事はこちらです。