「しもつかれ」
突然ですが、この言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
しも・・・つかれ・・?
下の疲れ?下ネタか?
初めて聞く人はそう思う人もいるでしょう。
でも、違うんですよ。実はこれ、郷土料理なんです。
郷土料理と聞くと、いろいろありますよね。秋田のきりたんぽとか、長崎ちゃんぽんとか、名古屋のひつまぶしとか。
日本中にたくさんあって、あなたが食べたことのある料理もあると思います。
それらに比べると、しもつかれはまだまだマイナーな料理ですよね。
そこで、あなたの知らない「しもつかれ」について、詳しくまとめてみました!
この記事は、
・しもつかれに興味がある人
・しもつかれの作り方が知りたい人
・しもつかれの名前の由来を知りたい人
に宛てています。
私は、実際に40年近くしもつかれを食べ続けてきました。
なのでここでは、しもつかれについて、聞いたことがない人でもわかるように詳しく説明したいと思います!
しもつかれについて悪いイメージを持っている人もこれを読めば、そのイメージが変わるはずです!
しもつかれは茨城県の郷土料理だ!
茨城県で一番有名な食べ物ですと、納豆でしょうか。
茨城県で有名な農作物ですと、白菜やレンコン、メロンなどがあります。
郷土料理で有名なのは、あんこう鍋とか、けんちん汁などですね。
あんこうのつるし切りなんかはテレビで実演してたりしますよね。
そしてしもつかれも茨城県の郷土料理なんです。
正確には、茨城県西部から栃木県にわたる北関東の地域です。
よく「しもつかれは栃木県の郷土料理で…」といわれますが、しもつかれは栃木県だけのものではありません!
しもつかれは茨城県のものでもあることを、強く言いたいです!
ちなみに、このあたりの地域は方言も似ているんですね。
大丈夫のことを「だいじ」といったり、洗濯物を取り込むことを「洗濯物をこむ」といったりしますよ。
しもつかれを食べる時期は決まっている
しもつかれは年中食べられるものではありません。
しもつかれは2月の初午(はつうま)に食べます。
初午とは、2月の最初の午(うま)の日のことです。
カレンダーを見てもらうとわかるのですが、2月の初旬に小さく「初午」と書いてありますね。
私はこの日が来るのが待ち遠しくて、1カ月以上前から食べたくてウズウズしているんですよ。
初午は、その年の豊作を祈願して、狐の好物の油揚げや稲荷ずしを供える日でもあります。
しもつかれは、この時期にしか食べないものなので、かなりレア度の高い料理といえます。
なのでしもつかれは、季節的に一番寒い時期に食べる料理のひとつですね。
あなたもできる!しもつかれの作り方!
使う材料は家庭によって多少異なりますが、作り方は基本的に同じです。
材料と作り方
材料は大根、ニンジン、大豆、鮭、油揚げ、酒かすなどを使います。
このときに使う大豆は、2月3日の節分のときに使った大豆を使用することが多いです。
大根、ニンジンは「鬼おろし」とよばれるものを使って、すりおろします。
大根とニンジンは量が多いので一番疲れる作業ですね。
そして、大豆を炒って皮を取ります。炒ることで皮が取りやすくなっています。
そして鮭を使うのですが、使う部分は鮭の頭です。
鮭の頭は、熱湯にさっとくぐらせて、くさみを抜きます。
鮭のにおいが苦手な人は、ここで少しお酒を加えると、においを抑えることができます。
そして、これらの材料を酒かすとともに煮込むのですが、材料が多いため、鍋もかなり大きいものを使います。
煮込んでいるうちに鮭の身は柔らかくなって、いい味が出るようになります。
その後、醤油や塩で味を調えたあと、十分に冷やして出来上がりです。
いったん冷やすことで味がなじみますが、食べるときにもう一度温めてもいいですよ。
あなたなりのアレンジを
材料は、豆腐や、さつま揚げなどを使ったり、納豆を入れる人もいますし、わが家では、銀杏(ぎんなん)を入れます。
しもつかれは、それぞれの家庭の味があるということですね。
あなたなりにアレンジしてみてください!
しもつかれの名前の由来は地名だった!
この特徴ある名前の由来は地名から来ているといわれています。
むかし、群馬県を「上野国(かみつけのくに)」と読んでいたのに対し、茨城県西部から栃木県にわたる地域は、「下野国(しもつけのくに)」とよばれていました。
この「しもつけ」が、「しもつかれ」の語源であるといわれているのです。
しもつけ → しもつけれ → しもつかれ
と変化したんですね。
ちなみにしもつかれには、様々な言い方があって地域によっては、しもつかり、すみつかれ、すみつかりなどともよばれます。
くれぐれも「下疲れ」ではないのでご注意を。
私の地域だけをみても、しもつかれといったり、すみつかれといったりしてますから、本当に言い方がバラバラなんですよね。
しもつかれの栄養
しもつかれは鮭や大豆を使っていることから、たんぱく質が豊富です。
また、大根をたくさん使うので、食物繊維も摂れます。
さらに、酒かすはお米から作られているものなので栄養価が高く、炭水化物のほか、アミノ酸やミネラルなどもあります。
このほかにも、しもつかれにはビタミンDやビタミンB12なども含まれています。
なのでしもつかれは、非常にヘルシーで消化が良く、とても栄養価の高い食べ物といえます。
だからしもつかれは、家族の幸せや健康を願う「行事食(ぎょうじしょく)」として、長い間食べられてきたんだと思います。
しもつかれを食べる季節は2月ですが、この時期は風邪やインフルエンザが流行する季節なんですね。
なのでしもつかれには、それらの病気を防ぐ役割もあるんですね。
しもつかれの食べ方いろいろ
個人や家庭によって食べ方はいろいろです。
しもつかれは、温・冷どちらも旨い
しもつかれは、温めても冷やしても美味しく食べれられます。
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私は冷たいものが好みですが、季節的に温かいものが食べたいという人もたくさんいます。
しもつかれはどうやって食べるのか
しもつかれは、肉や魚などのメインのおかずに添えて出されることが多いです。
いわゆる、副菜ですね。
しもつかれは、ほとんど野菜ですからサラダ感覚で食べられています。
給食で出されるところもある
しもつかれは、学校の給食でも出るところもあります。
子どもたちとって、大事な栄養素がたくさんあるんですね。
スーパーでも売られている
最近では、しもつかれはスーパーでも見かけるようになりました。
まだ商品の数は少ないですが、徐々に広まっている感じがあります。
しもつかれのメリット
しもつかれの一番のメリットは、栄養価が高いことですね。
野菜や豆など体に良い素材ばかりを使っているので、健康食品以上に効果が期待できます。
また、飽きずに何度でも食べられることもメリットのひとつだと思います。
しもつかれは基本的にしつこい味ではなく、さっぱりして胃に負担をかけない食べ物なのです。
また、しもつかれは作る家や人によって違いがでるため、オリジナル性が高い料理ともいえます。
家庭によっては作り方が代々受け継がれていることもあるので、伝統的な料理ともいえます。
そして、しもつかれは1年に1度しか作らないという風習があるため、すごくレア感があることも魅力のひとつといえるかもしれません。
しもつかれのデメリット
一番のデメリットは、見た目の悪さですね。
料理というものは味よりも先に、見た目で美味しさを感じることが多いのですが、しもつかれはごちゃごちゃした感じで不味そうに見えてしまうので、見た目で損をしている料理といえます。
そしてそのにおいも嫌いな人が多くデメリットといえます。
しもつかれは酒かすを使っているため、どうしてもその発酵臭みたいなものが出てしまうんですね。
慣れない人は嫌な臭いと感じてしまうと思います。
さらに、ほかの人が作ったしもつかれが不味く感じてしまうこともデメリットでしょう。
しもつかれは基本的に、自分の家で作ったものが美味しく感じるものなので、ほかの人が作ったものは不味くて受けつけないことがあります。
また、しもつかれを食べるとお腹が緩くなることもデメリットとして挙げられます。
しもつかれは全体的に水っぽくて、材料に使っているものが消化にいいものばかりですからね。
それからしもつかれを作るのが面倒ということもデメリットですね。
しもつかれを作るのはかなり大変なんです。
特に鬼おろして大根を擦る作業や、煮込む作業が大変なんです。
まとめ
ここで紹介しましたように、しもつかれは非常に健康的な食べ物といえます。
ただ、見た目が独特で、味にもクセがあるため、しもつかれが嫌いだという人もいます。
しもつかれが嫌いな人でも、入れる材料を変えてみたり、食べ方にアレンジを加えることで、必ず自分好みのしもつかれと出会うことができるはずです。
2月に茨城県に来る機会があったら、是非しもつかれを食べてみてくださいね!
以上が、まとめとなります。
こちらの記事では、茨城県の特徴について書いています。よろしかったらどうぞ!
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!